普段は、何かを探しに行くというよりも、その土地に赴き、象徴的なものを素材として選ぶことが多いのですが、この線香はプロダクト化にあたり、無花果に焦点を絞ってフィールドワークを行いました。「無花果を探している」と知人に話したときに耳に入ってきたのが「小豆島」でした。
すぐに小豆島へ向かい、福田港に降り立ちました。真夏の強い日差しの中、誰もいない港を歩きながら、人に出会えないかと探していると、一人のおじさんが自転車で通りかかりました。「すみません、無花果を探しているのですが、ご存知ですか?」
そう尋ねると、「ああ、うちにあるよ。」と。あまりにもあっけなく、無花果にたどり着きました。
背丈ほどもある立派な無花果の葉を何枚か分けていただくことになり、私は持っていた線香を「交換してください」と手渡しました。(後から聞くと、その線香は島のお寺に持っていってくださったそうです。)
よく見ると、福田港周辺のほとんどの家の庭に無花果の木が植えられていました。何か理由があるのではと思い、トマト畑で仕事をしていた80代くらいのおばあちゃんに尋ねました。「どうして、みなさん無花果を植えているんですか?」
返ってきた答えは、「美味しいからでしょ。」本当に、それだけなのかもしれません。
FIELDWORK
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